体力は40歳を境に減退していく?(その3)
8合目の山小屋に着いたときである。
沢山の人が休憩していて、これから挑むその頂きを見上げながら、どの顔も緊張した面持ちである。ただ気持ちは高ぶっているのか、彼らの会話は緊張と裏腹にとても弾んでいるように聞こえてくる。
「富士山はなぁ、ここからがしんどいねん」
一人のオジサンがそんな事を口ずさむ。
僕は心の中で思った。
「これまでも、相当しんどかったのに、、それよりももっとしんどいのか、、、」
思わず気持ちが折れそうになったのだが、ここまで来てやめるわけにはいかない。
気持ちを奮い立たせて、頂上へと続く道を見上げながら一歩ずつ足を前に出す。呼吸はかなり苦しく、しかもそのせいかどうか、頭はかなりフラフラしている。階段を一段上がるたびに後ろに倒れそうになるのはきっと高山病の兆しなのだろうと、認識しながら足をあげる。
一歩、そして一歩、しかしなかなか前に進まず足の疲れと、呼吸の苦しさで何歩か登っては休憩、登っては休憩を繰り返す。
そして白い鳥居が見えてきて、ようやく頂上の小屋らしきものの建物が見えてきた。
最後の一段を踏みしめた後、フラフラの状態で休憩所へと向かい、ヘナヘナと座り込む。
時計を見たら、12時30分。
登るのに8時間近くもかかってしまった。
8時間、えらいかかっとる。
出発時に山小屋のおじさんか6時間って言われてたのに2時間もオーバーしてしまった。
これはなんとも残念すぎるよなぁ、、、
続く、、、